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目利きや!8

第4回 吉田豪さん 1/4

吉田豪

吉田豪

プロインタビュアー&プロ書評家。
現在、雑誌・新聞などでの連載数が20を超えるライター。主な著書は『バンドライフ』、『hon- nin列伝セキララなオンナたち』、『続・人間国宝』、『吉田豪のセメント!!スーパースター列伝』、『元アイドル1&2』、『人間コク宝』、『男気万字固め』。新刊は『サブカルスーパースター欝伝』(徳間書店)。
新宿ロフトプラスワンで行われる各種トークライブでも人気を博す。テレビ・ラジオ出演も多数。特に最近は『情熱大陸』や『さんまのまんま』に単独出演し、大きな話題となった。twitter:@WORLDJAPAN

−−吉田さん、今日はよろしくお願いしま〜す!

吉田 はい。坂井ノブさん、結婚おめでとうございます!

−−今日はですね、元『紙プロ』編集部の坂井ノブさんの結婚パーティーに来てまして、そのパーティーの司会業の合間に吉田豪さんにインタビューしております。こういうタイミングじゃないと吉田さんは捕まらないですからね。忙しすぎて。

吉田 こういうタイミングで取材日を指定されたら、逃げられないからね……。

−−まず僕と吉田豪さんの関係をご説明しますと、20年近く前に『紙のプロレス』という雑誌の編集部で机を並べて働いていた、先輩と後輩なんですよね。

吉田 同い年なんだけどね。ボクが編集プロダクション時代に変名で『紙プロ』で連載をやってて、その流れで『紙プロ』に引き抜かれて。そこに原君が入社してきて。

−−僕が吉田さんと一緒に働いてたっていうのは、ハッキリ読者のみなさんに自慢しておかないと(笑)。で、その『紙のプロレス』という雑誌の編集部が、それはそれはもう、最底辺というかスラム街みたいなところだったんですけれども、吉田さんはそんな中から腕一本でのし上がったボクシングの世界チャンピオンみたいなもんなんですよね。

吉田 ロード・ウォリアーズみたい感じで、かつてはネズミを食って生きてきたけど(笑)。

−−そうそうそう(笑)。僕らもネズミ食ってたわけですよ。

吉田 ボクらの上司には、いまだにネズミを食ってるような人が多いけどね。せっかく成り上がったのに、結局またスラム街に戻ってきて(笑)。

−−ダハハハハハ! またネズミをばくばく食べているという(笑)。そんななか『情熱大陸』、『さんまのまんま』でブレイクして、知名度、認知度ともに丸々太った吉田豪を、元後輩の僕が逃すわけはないですよ(ニヤリ)。

吉田 あ、そう。

−−実際、有名になっちゃったわけですけど、別にタレントになりたいわけではないじゃないですか。

吉田 全然。原君と違って『紙プロ』時代から顔出しもろくにしてないし、裏方になりたかっただけだから。

−−まぁ僕はやたらと写真を出されましたけど(笑)。現状について率直な感想は?

吉田 まあ、単純に面倒くさいよね。

−−またぁ!(笑)。有名になるとモテて楽しいとかはないんですか?

吉田 それはないよね。ボクのトークショーに来るのは9割方、男だし。それよりも煩わしいことのほうが多い。知る人ぞ知る、ぐらいの存在のほうが楽だよね。

−−ほぉ。いまだったら逆に吉田さんがインタビューに行きはったら……。

吉田 (さえぎって)とりあえず、取材で楽なことはあって、色んなメディアに出ているボクを見てくれることで逆に取材しやすくなったりとか、それまで取材を受けてくれなかった人が受けてくれるようになったというのはあるよね。

−−でも逆に構えられたりしません?

吉田 むしろ逆のパターンで「吉田豪は凄い調べてくる人だから、これぐらい覚悟して話そう」って人のほうが意外と増えてる。「いや、そんな調べてないよ、今日は」みたいなこともあるけど(笑)。

−−わははは! へぇ〜、そういうもんなんや(笑)。

吉田 ハッタリが効くようになった。

−−ついでにいやらしい話も聞きますけど、こっちの方はどうでんの?(指でお金のマークを作りながら)。

吉田 でも、そんな変わんないよ。テレビのギャラとかも激安だしね。ほかの仕事のための宣伝と親孝行でしかないと思う。

−−吉田さんは文化人枠ですからね。『情熱大陸』の視聴率はよかったんですか?

吉田 覚えてないけど「よかったですよ」とは言われたよね。だって12月30日放送だもん。

−−いや、これはですよ、プロレス・格闘技が大晦日に地上波でやれなくなったんで、その代わりに吉田豪が晦日にプロレス・格闘技を代表して一矢報いたみたいな感じですよ。

吉田 着てたジャージがIWAジャパンとかだったぐらいで、あの『情熱大陸』にプロレス色はないよ、全然(笑)。

−−で、今日はですね、ウチの会社の“プルポ”というスペイン語で“8”にちなみまして、8枚のおすすめCDを持ってきていただいたわけですが……、わっ、パッと見、8枚以上ありますよね(笑)。

吉田 8枚で足りるわけないんだよ。いま結婚パーティーの会場側から早く撤収してほしそうな感じのオーラも出てるのに(笑)。

−−時間もないしサクサク行きましょう! 早速、吉田さんのオススメを教えていただきましょうか。

吉田 全然オススメする気も何もなくて、単純に10代の頃に聴いてたモノを流れで持ってきただけなんだけど。

−−10代縛りみたいな感じですか?

吉田 縛りっていうか、「名盤を選んでください」的なオファーがよくあるんだけど。

−−吉田さんはメッチャあるでしょうね。

吉田 そういう場合、後から辿って聴いたモノは選びたくないというか。なんか嘘ついてるような気がして。

−−まぁそんなズルしてるような人もいますよね(笑)。

吉田 邦楽でいえば、はっぴいえんどとかジャックスとか入れると嘘になる気がする、みたいな(笑)。「おまえ、リアルタイムで聴いてないのに、なんかカッコ付けてるだろ!」って。だから、中高校生のとき聴いてた当時のバンドだけ持ってきた。

−−これらのCDで今となっては恥ずかしいモノもあるんですか?

吉田 いや、全然。自分の中ではまったくブレはない。もともとアニヲタだったんだけど、アニメ好きって、金に余裕がある大人はセル画を集めたりとか、手先が器用な人間はプラモをにハマったりとかするんだけど、基本、ボクは古本&音源派だったの。

−−その当時から?

吉田 そう。サンライズにハマったらサンライズの主題歌を全部集めたりして。『白い牙 ホワイトファング物語』っていう安彦良和がキャラデザインをやったスペシャル番組があってね。サンライズ製作なんだけど。それの主題歌がシングル出てないんだよね。ドラマ版のLPしか出てなくて。

−−ほぉ。

吉田 そうなるとドラマ版のLPを買って、その主題歌だけ録音して全部並べたくなるタイプで。

−−はぁ。ひとつも変わってませんねぇ(笑)。

吉田 たとえば『銀河漂流バイファム』っていうアニメでTAOっていうアーティストが主題歌(「HELLO, VIFAM」)を歌ってたんだけど、シングルバージョンと、そのTAOのアルバムには最初のSEがないバージョンが入ってて、他にもライブバージョンとか、そういうのをそんどん集めたくなるわけ。それで買ったのがこのTAOのアルバム。のちにこれがCD化されたときにコメントを書かせてもらったんだけど。

−−あ、ジャケットにシールが貼ってる。吉田さんの解説文が書かれてますね。

吉田 シール用のコメントを頼まれたんだけど、シールで貼るには無理があるだろうってぐらい長文だよね。

−−こんなジャケット見たことないですよ(笑)。

吉田 中学時代に聴いていたものに関われる喜びで、余計なことしか書いてない(笑)。このTAOって、もともと全曲英語で歌うプログレ系のマニアックな音楽グループだったんだけど、この頃ってアニメの主題歌をいろんなロックバンドがやるようになってた時期で。もうちょっと後になるとタイアップでアニメと全然関係ない曲が使われるようになるけど、当時はバンドがアニメに合わせた曲を作らされてたわけ。

−−意に反してやらされてたんですね。たとえばどんなバンドがアニメの主題歌やってたんですか? 僕はそのへんは詳しくないんで。

吉田 永井豪先生原作の『サイコアーマーゴーバリアン』っていうアニメがあって、その主題歌をネバーランドっていう、レイジーのラウドネス組以外のメンバーが組んだポップなハードロック系のバンドがやってたんだけど、ライブで愚痴こぼしてたって噂は当時聞いた。「ホントはこういうのやりたくないんだけど」みたいな。

−−へぇ〜。

吉田 そういう時期に出たのが、このTAOで。「小中学校時代のボクはサンライズ関連作品の主題歌を全部集めるのがライフワークで……」とかシールに書かれてるけど、ただの俺話でTAOの話とか全然書いてないっていう(笑)。

−−ホンマや(笑)。

吉田 そこにも書いてると思うけど、ボクは最初に自分の金で買ったLPが『銀河旋風ブライガー』のBGM集で、最初に買ったシングルが『立て!バルディオス』っていう『宇宙戦士バルディオス』の挿入歌だったりするぐらい、完全にアニメ側だったんだよね。

−−えー、なんの話かさっぱりわかりません!(笑)。

吉田 でも、『ブライガー』のBGM集はタケちゃんマンのBGMとして使われたから、聴けばわかるよ。

−−へぇ〜、そうなんや。あまりにアニメの話はわからなさすぎるので次行きましょう(笑)。




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